2008
ので、こんなことを思っていました。
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「なんだよ、ため息なんてついて鬱陶しいな」
脇から那岐に言われて、自分がため息をついていることに初めて気がついた。
「気に障ったのなら謝るよ」
「別に謝られるようなことでもないけど。もう止めてくれれば」
苦笑するしかなかった。勝手に出たものをコントロール出来る自信はないが、確かにため息が出るのは不本意だ。
「どうせ、千尋絡みなんだろ」
今度は吐き出した息を飲み込む羽目になった。
那岐は横目で風早を見ている。今の、驚きのために息を呑んだことに気がついているだろう。那岐とは一緒に暮らしてきた仲だ。隠し事は、余り意味を成さない。
それに、今二人の目の前では、当の千尋がサザキたちと水遊びに興じている。それを見つめながらのため息だから推測もしやすかったであろう。
更に言えば、千尋のこととなると、那岐の勘は鋭くなる。本人はどうやらそのことに無自覚であるようだが。そしてそのことを指摘すると不機嫌になでるであろうことも予測できるので、敢えて触れない。
「最近、千尋が一人で先へ行ってしまってばかりで寂しいな、と」
那岐が思い切り呆れた顔をした。
「意味わかんね」
多分、那岐はわかっている。風早の言葉の意味に。敢えて気付かないフリをしているだけだ。
最近、千尋の周囲には彼女を慕って集まる人が多くなった。それはきっと千尋が二の姫として必要なことだし、そんな千尋を誇らしくも思う。
だが、その一方で、もう風早が守ってきた千尋はいない。千尋はもう守られるだけの存在ではない。いつの間にか皆を守ろうとする存在へとなっていた。
これはエゴイズムでしかない。
千尋が自分の手から離れて行ってしまうことを残念だと思ってしまうことは。
それでも思わずにいられない。
「千尋が他の人たちとあんまり仲良くなってしまうのは嫌だなということだよ」
那岐の表情が険しくなったのは、きっと風早と同じ事を思っているからだ。そしてそれを認めたくないからだ。
風早はその顔を見て、少し笑った。
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もうちょっとコメディチックになるはずだったんですがね。そしてプレイしながら片手間的に書いているのでちょっと収拾付かないないようになってしまいました。
あと、那岐との会話中の風早が敬語だったのかタメだったのかわからなくなって曖昧に濁してます。
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でもおかげでかなり幸せ。
ゲームはあちこち手を出しつつ、コンプしたのは少ないかもというへたれゲーマー。